ファッションモデルさんのような体型になりたいな・・・
かなり細身だよね。
でも、必ずしも健康的とは言えないんだよ。
そうなんですか?
見た目は細くても、中身が問題なんだよ。
健康的であるためには、筋肉をしっかり付けないとね。
今回は、体重と体脂肪率について解説します。
体重を気にしない
若い人を中心に、体重を気にされる方が非常に多いように感じています。
しかし、体重自体は問題ではありません。
逆に、健康のために必要な筋肉量を増やそうと思うと、体重はある程度重くなります。
ファッションモデルや芸能人の方の細身の体型が憧れる対象となっているようです。
そのような体型は必ずしも健康的ではありません。
ファッションモデルが痩せすぎで亡くなられることも報告され、最近では痩せすぎのモデルの規制もされているようです(*1)。
問題なのは脂肪である
問題にしなければならないのが脂肪の量です。
「私は細いから大丈夫」なんて思っている人もいるかもしれません。
体型が細身でも、脂肪の量が多い場合もあります。
これは隠れ肥満と言われます。
見た目は痩せているので、肥満だという自覚がないだけに大きな問題となっています。
若い女性を中心に、運動せずに痩せることに腐心するあまり、結果的に筋肉量が減っていきます。
筋肉量が減れば、体重は減りますし、四肢は細くなります。
これで目的は達成できてしまっているため、めでたしめでたし・・・
ところが、このような状況では、健康が蝕まれていっているのです。
筋肉は使わないとすぐになくなってしまうのです。
しかし、もとに戻すのは大変です。
筋肉は減らさずに、脂肪を減らすことが大切なのです。
脂肪の量を知る
では、どうやったら脂肪の量を知ることができるでしょうか?
残念ながら、脂肪量は直接測ることができません。
そのため、間接的に推定する方法が様々考え出されました。
それらの方法には、精度の高いものもあれば、そうでないものもあります。
私たちが最も身近に脂肪を測定できるのがインピーダンス法を用いたものです。
体重計と一体になったものや、手でセンサーを持って計測するものなどがあります。
インピーダンス法とは、身体に弱い電気(交流)を流して、その際の抵抗値(インピーダンス)から脂肪量を推定するものです。
インピーダンス法の機器も高価なものから安価なものまであります。
高価なものの方が、値が安定していたり、上肢や下肢、体幹などの部位別の脂肪量なんかも計測してくれます。
注意点としては、体水分量が大きく変わるような状況で測定すると、値が大きく変化します。
また、ペースメーカーを埋め込んでいる方は、使用しないようにして下さい。
BMIも活用できる
BMIという指標をご存知ですか?
Body Mass Indexの略で、この数値から体格を評価します。
身長と体重のみで計算でき、機器を購入する必要がありません。
BMI=体重 [kg]÷身長 2 [m]
体重を身長で2回割るのです。
この際、身長をメールにして計算することに注意です。
BMIが18.5〜25.0 [kg/m2]が標準で、25 [kg/m2]を超えると肥満ということになっています(*2)。
簡易的ではありますが、これで自分の体型を理解しておくと良いでしょう。
BMIが30 [kg/m2]を超えるようなことがあれば、運動始めることを考えてみてはいかがでしょうか。
逆に、痩せすぎも問題です。
BMIが18.5 [kg/m2]よりも少ないと低体重だと判定されます。
低体重も疾病に罹りやすいことが知られています。
ファッションモデルのBMIは平均値が17.57 [kg/m2]だったと報告されています(*3)。
注意点としては、BMIは脂肪を計測しているものではないので、あくまでも目安として利用することです。
一般的に、スポーツ選手は使用できません。
例えば、レスリング選手とかがBMIを求めると、肥満になってしまいます。
あんな筋肉質の人が肥満なんておかしいですよね。
そうなんです、筋肉質の人は身長に比べ体重が重たくなってしまいます。
その結果、BMI値が高くなってしまうのです。
ですから、一般の方でも、筋トレをバリバリやっている人は、BMIは使えないです。
ただ、運動をあまりやってこなかった一般の方であれば、十分使える指標です。
まとめ
「細くさえなれればいい」、そう思っている人もいます。
しかし、それは健康な状態ではありません。
マインド・リセットしましょう!
*1: 世界の痩せすぎモデル規制の経緯と日本、https://nanba-nagata.com/medical/eatingdisorders/overweight/
*2: 肥満と健康、https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html
*3: Supermodels: stick insects or hourglasses?、Tovee, M.J. et al.、Lancet 350 (9089)、p1474-1475、https://doi.org/10.1016/S0140-6736(05)64238-9
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