運動では強度が大切なのはわかりました。
では、運動中、実際にどうやって強度を確認すればいいの?
それには、定常状態の時の心拍数で確認します。
運動を始めたけど、目標心拍数の運動になっているのかわかない。
そう不安に感じている方もいると思います。
せっかく、目標心拍数も決めたので、その設定強度で運動したいですよね。
運動は闇雲にやればいいというものではありません。
目的にあった運動を行うことが大切です。
では、どうやって目的の運動が実践できているのか確認できるのか。
この点を以下の3点から解説していきます。
- 心拍数
- 定常状態
- トレーニング効果
1.心拍数
運動するために筋肉を動かすためには、酸素が必要です。
酸素は、血液で筋肉まで運ばれるのですが、その際、心臓がギュッと縮んで(「収縮」と言います)血液の流れをつくるのです。
1分間に心臓が何回収縮したのかを表したのが心拍数となります。
心拍数の単位は、拍/分と表します。
心臓の収縮は、「回」ではなく「拍」となります。
これを英語で表すとbpm(beat per minute)となり、こちらを使う場合もあります。
安静時の心拍数は、一般人の場合70〜80拍/分ぐらいになります。
運動すると、筋肉で酸素がたくさん必要となりますので、心拍数は増加します。
ただ、最大値が決まっていて、以下の計算式で推定します。
20歳の人で200拍/分、50歳の人で170拍/分と計算できます。
しかし、これはあくまでも推定値ですので、実際にはこの値よりも前後することもあります。
2.定常状態
安静状態から運動を始めると心拍数が増加します。
心拍数は、一気に増加するのではなく、少し時間をかけて増加していきます。
その様子を概念的に示したのが下図です。
図のように、心拍数は徐々に増加していき、実施している運動に見合ったところでほぼ一定の値になります。
運動に見合ったというのは、運動に必要な酸素が運ばれた状態です。
この状態を「定常状態」と言います。
運動強度にもよりますが、一般の人の場合、定常状態になるまでに3〜4分はかかると思って下さい。
定常状態の時の心拍数が、その運動の心拍数として評価できます。
注意点は以下の通り。
- 運動を開始したばかりの心拍数を用いない。
- 運動負荷(ランニングスピードなど)を極力一定にする。
運動を開始したばかりでは、まだ上がりきっていない状況です。
この時点で心拍数を評価してしまうと過小評価してしまうことになります。
また、運動負荷(ランニングスピードなど)が変わってしまうと心拍数も変わってしまいます。
極力、運動負荷を一定に保つようにして、心拍数を評価しましょう。
この定常状態の時の心拍数をトレーニングの目標心拍数と比較します。
目標心拍数よりも低ければ、運動負荷(ランニングスピードなど)を上げます。
逆に、高ければ運動負荷を下げます。
これで、運動強度がチェックできます。
目標心拍数は、カルボーネン法で計算するのが便利です。
目標心拍数やカルボーネン法を詳しく知りたい方は以下のブログを参照して下さい。
3.トレーニング効果
運動中の心拍数を目標心拍数に合わせるようにトレーニングを続けます。
例えば、運動時間を一定(例えば、30分)に決めてトレーニングします。
その時のウォーキングやジョギングの距離を記録します。
そうすると、しばらくするとその距離が伸びてきます。
この変化がトレーニング効果です。
運動を継続することで、心拍数が同じなのに、同じ時間でより長い距離運動できるように身体が変化します。
より多くの運動量がこなせるようになり、より多くのエネルギーを消費できる身体に変化しているのです。
継続的なトレーニングによって、以下の変化が生じます。
心拍数が同じ運動なので、運動強度としては同じです。
同じ強さの運動をやっているのに、徐々に多くのエネルギーを消費量できるようになるのです。
そうなれば、脂肪がより多く使われるようになります。
このような変化は徐々に現れてきます。
急に、このような都合の良い身体には変化しません。
地道なトレーニングの積み重ねが大切です。
継続していれば、必ずこういった変化は起こります。
それを楽しみに続けましょう。
まとめ
- 運動中の心拍数を評価する際は、定常状態の際の値を用いる。
- 定常状態を得るためには、運動負荷(ランニングスピードなど)を一定にする。
- 定常状態は、運動後3〜4分後以降に現れる。
- 定常状態の時の心拍数を目標心拍数に近づけるよう運動負荷(ランニングスピードなど)を調節する。
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