最近、体力がなくなったと実感します・・・
どうすれば体力がつきますか?
「体力」とは幅広い考え方です。
まずは「体力」とは何かを理解するところから始めましょう!
階段を上がる、ハアハア肩で息をする。
たいしてきつくない運動だったと思っていたのに、翌日に足腰が痛い。
若い頃は全然平気だったことが、最近は平気でなくなった。
一念発起して、「体力をつけるぞ!」と意気込んではみたものの、何をして良いのかわからない。
そう思っている方も多いのでは。
実は、「体力」とはとても広い考え方です。
まずは、「体力」とは何を理解し、その上で、しっかりとした目標を持つことがトレーニングを継続するためには大切なことです。
さらに、体力づくりを、競技志向で考えるのか、健康志向で考えるのかで捉え方が異なります。
今回は、「健康」のための体力づくりを取り上げてみたいと思います。
健康に関連した体力は以下の4つの要素になります。
健康になるために体力づくりを始める方は、この4つを高めるトレーニングをしましょう!
これらの要素は、数値で計測できるので、トレーニングの効果を判定することができます。
一方、「体力」の広い考え方の中には、環境への適応やメンタルといった数値化できないものもあります。
こちらについても、紹介していきます。
今回は、健康に関する体力について、以下の内容で解説します。
健康に関連する体力の具体的な内容
「体力」とは、かなり広い捉え方ができます。
身体的な要素、精神的な要素などトータルとして体力として定義されます。
身体的な要素として、特に「健康」に関連する体力の4つの要素についてみてみましょう。
心肺持久力
心肺持久力とは、活動や運動を長く続けられる能力のことです。
「心」は心臓、「肺」はそのまま肺のことを指します。
活動や運動を長く続けるためには、これらの働きがとても重要になります。
これらは、筋肉が動くために必要となる酸素を運ぶ役目を担っているからです。
心肺持久力を高めるためには、有酸素運動の実践が有効です。
ウォーキングやジョギングが代表的な有酸素運動です。
運動の強さは、各個人の心肺持久力の最大レベルの50〜60%程度で行います。
カルボーネン法でこの運動強度に相当する心拍数を計算することができます。
カルボーネン法については以下のブログを参照してください。
筋力/筋持久力
中高齢者では、特に下半身の筋力/筋持久力が大切になります。
筋肉が力を出して、私たちの身体は動いています。
この力が弱いとバランスを崩しやすくなり、転倒のリスクも高まります。
また、筋力を長く維持できる能力がなければ、長時間の動作や作業が難しくなります。
筋力/筋持久力を高めるためには、レジスタンス運動の実践が有効です。
レジスタンス運動とは、いわゆる筋トレのことです。
有酸素運動では、筋力/筋持久力の向上は期待できませんので注意してください。
身体組成
身体組成とは、身体を脂肪、骨、筋肉などに分類して捉える考え方です。
脂肪は、体脂肪率として評価され、肥満を判定する上では欠かせない指標で、生活習慣病にならないためにも適切な値を維持しなければなりません。
骨は、骨密度で評価されますが、測定には専門的な施設でないと行えません。中高齢者の特に女性においては、骨粗鬆症のリスクがありますので、適切な値を維持する必要があります。
筋肉量は、筋力/筋持久力と直接的な関連があります。
筋肉量が落ちると、筋力/筋持久力も低下します。
サルコペニアを防ぐには、筋肉量や筋力を適切な値を維持する必要があります。
サルコペニアについては、以下のブログを参照してください。
体脂肪率、骨密度、筋肉量は、有酸素運動とレジスタンス運動の実践で改善できます。
柔軟性
柔軟性が体力に関係あるの?
そう思われる方もいると思いますが、関係あるんですね!
関節の柔軟性は、関節がどの範囲まで動くことができるのかという「可動域」に関連します。
加齢とともに可動域も減少してきますので、いろいろな動作が小さくなってきます。
歩幅もその一つと言えるでしょう。
動作が小さくなることで、エネルギー消費量も少なくなり、心肺持久力の低下につながります。
また、可動域が狭くなることで、肩こりなどの原因にもなります。
柔軟性を高めるためにはストレッチングが最適です。
お風呂上がりなど、体が温まった状態で実施するのが効果的です。
下半身ももちろんですが、上半身、特に肩周りのストレッチングを念入りに行いましょう。
普段の生活の中では、肩関節はごく限られた可動域でしか使われていません。
体力と環境への適応とメンタル
体力の身体的な要素の中でも、必ずしもトレーニングできるものばかりではありません。
環境への適応などがそれにあたり、専門的には防衛体力と呼ばれるものです。
また、体力の定義の中には、身体的な機能だけでなくメンタル面も含まれます。
環境への適応
寒くなったり、環境が変わるとすぐに体調を崩してしまう人います。
最近では、気圧の変化も体調に影響を与えることがわかってきているようです。
すごい筋力をもっていても、それを実際に発揮する場面で、体調を崩してしまって全力がでないければダメだということです。
世界中を駆け回るアスリートになると、気候や時差などへ、いかに素早く適応できるかは重要な能力ということになります。
環境の変化に素早く適応できるのも体力なのです。
メンタル
意思、判断、意欲といったメンタルの要素も大事な体力になります。
日々のトレーニングを継続するには、これらの精神力が必要なんですね。
また、精神的ストレスに対する抵抗力も大切です。
私たち一般人でも、毎日、会社や学校で精神的なストレスを受けています。
そのストレスに耐えられる人、耐えられない人がいますよね。
選手であれば、大きなプレッシャーに打ち勝たなければなりません。
精神的なストレス(プレッシャー)で本来の力が発揮できなければ、体力があるとは言えないのです。
環境への適応やメンタルなどの要素は、数値化できません。
ですので、これらの要素を高める科学的なトレーニング法はまだ十分に開発されていません。
今後、この方面での研究が盛んになると思います。
まとめ
- 健康のために体力づくりをするためには、心肺持久力、筋力/筋持久力、身体組成、柔軟性を高めることが必要である。
- 体力は、環境への適応やメンタルなどの要素もあるが、数値化が難しく、トレーニング方法もまだ十分とは言えない。
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