身体に溜まった熱を取り除く

いろいろ

暑い季節は運動するのも大変・・・

運動は体温を上げるから注意しないとね。

体温が上がりすぎると危ないんですよね?

そう、体温は一定に保たなければならないから、余分な熱は放出しないといけないんだよ。

今回は、身体がどうやって熱を放出するか解説します。

熱を放出する方法

私たちの身体は、深部体温を一定に保つようなシステムがあります。

深部体温とは、身体の中心部(脳や内臓など)の温度のことで、おおよそ37℃程度に保たれています。

深部温が40℃を超えるようなことになると、身体機能に異常をきたし、生命をも危ぶまれる状況に陥ります。

これが熱中症です。

気温や運動などによって深部温が上昇した場合、熱を放出しなければなりません。

熱を放出する方法には、(1)伝導,(2)対流,(3)放射,(4)蒸発の4種類があります。

(1)伝導

直接接している物質間の熱の移動です。

皮膚からその周辺にある空気に熱が移動することを指します。

皮膚よりも、その周辺の空気の温度が低くないと熱の移動は起こりません。

(2)対流

皮膚からその周辺にある空気に熱が移動し暖められ,この空気が風により運ばれることで新たな空気と入れ替わることを対流と言います。

これによって、熱の伝導が効率よく作用できるようになります。

(3)放射(輻射)

皮膚の周りにある空気とは関係なく,周囲の物体に直接熱の移動が生じることです。

私たちが電磁波というものを出しているからです。

電子レンジは電磁波で物を温めていますし、遠く離れた太陽が温かい(暑い!?)のもこのためです。

身体の表面の温度を計測するサーモグラフィーはこれを計測しています。

(4)蒸発

皮膚から汗を蒸発させることで熱を放出するのが蒸発です。

汗が蒸発する際に、気化熱として皮膚表面の熱を奪ってくれるのです。

どのくらいの割合で体温の低下に関わっているか

熱の放出における、伝導,対流,放射,蒸発の関与は気温によって異なります。

25℃ぐらいまでは放射、そして伝導・対流からの熱の放出量の多いのですが、30℃を超えてくると、これらの関与が低下して蒸発の割合が急激に増えていきます。

さらに、気温が35℃を超えると、伝導・対流・放射がほとんど機能しなくなるので、蒸発が唯一熱を放出する方法となります。

蒸発による熱の放出で大切なのは湿度です。

湿度が高いと、汗は蒸発しないため気化熱による熱の放出ができなくなります。

運動中では別の問題も生じてきます。

皮膚に分配される血液量は運動強度によって異なります。

息が弾むような中等度の運動までは、皮膚への血流量は増加していきますが、高強度運動(全力での運動)中は、逆に皮膚への血流量が減少してしまいます。

身体の深部の熱は血液で皮膚表面に運ばれるので、皮膚への血流量が減ってしまうことは大きな問題です。

このように、湿度が高く、運動強度が高い状況は熱がうまく放出できないので要注意ということです!

まとめ
  • 熱を放出する方法には、伝導,対流,放射,蒸発がある。
  • 気温によってこれらの関与が異なる。
  • 気温が30℃を超えると、伝導、対流、放射の関与が低下し、蒸発による熱の放出が急増する。
  • 気温が35℃を超えると、熱の放出は蒸発のみで行われる。
  • 湿度が高い環境、高強度の運動時は体温調節が困難になる。

暑い時期、熱を効率よく放出して、安全に運動したいですね!

コメント

タイトルとURLをコピーしました