筋トレすると筋肉痛が起こりそうで不安です。
最初に軽い負荷で実施しておけば、次の筋肉痛は軽減できます!
運動をするのが嫌な理由として筋肉痛が挙げられます。
運動した翌日ぐらいから痛みだして、しばらくその痛みが続きます。
このような筋肉痛は遅発性筋肉痛と言います。
生活にも支障をきたす場合もあります。
それを考えると、運動するのをためらってしまいますよね。
しかし、全ての運動で遅発性筋肉痛が起こる訳ではありません。
今回は、運動初心者の大敵である筋肉痛について、以下の3つのポイントを解説します。
- 筋肉が力を発揮するタイプ
- 遅発性筋肉痛とは
- 遅発性筋肉痛の予防
1.筋肉が力を発揮するタイプ
まずは、筋肉が力を発揮するタイプについてみていきましょう。
以下の3つがあります。
- 等尺性収縮
- 短縮性収縮
- 伸張性収縮
・等尺性収縮
アイソメトリックとも言われます。
筋肉(筋線維)が長さを変えずに力を発揮する方法です。
私たちが出している力と外から加えられた力が釣り合って動けない状況です。
腕相撲で二人の力が拮抗して、組んだ手と手が最初の場所から動いていない状況です。
握力計をギュッと全力で握っている時も同じ状況です。
・短縮性収縮
コンセントリックとも言われます。
筋肉(筋線維)が短くなりながら力を発揮する方法です。
錘(おもり)を持って肘を曲げて持ち上げている状況です。
・伸張性収縮
エキセントリックとも言います。
筋肉(筋線維)が伸ばされながら力を発揮する方法です。
イメージが難しい力発揮の方法です。
腕相撲では、相手の力の方が強く、押し込まれている状況です。
また、持ち上げた錘(おもり)をゆっくり下げている時も伸張性収縮になります。
2.遅発性筋肉痛とは
私たちがイメージする筋肉痛は、運動後、12〜24時間ぐらい経ってから生じる痛みです。
これは、遅発性筋肉痛と言います。
運動中や運動直後に生じる痛みとは違います。
では、遅発性筋肉痛について次の2点をみてみましょう。
- 遅発性筋肉痛が生じやすい動作
- 遅発性筋肉痛の症状
・遅発性筋肉痛が生じやすい動作
遅発性筋苦痛は、しばらく運動をしていなかった人がしばらくぶりに実施すると生じやすいと言われています。
また、3つの力の発揮タイプの中で、伸張性収縮を行った後に遅発性筋肉痛が顕著に現れます。
例えば、階段を昇る時よりも、降りる時に遅発性筋肉痛になりやすいです。
昇っている時の方が筋肉へのダメージがありそうなイメージですよね。
実はそうではないのです。
昇っている時は、筋肉は短縮性収縮をしています。
一方、降りる時は、大腿四頭筋(太腿の筋肉)や下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)では伸張性収縮になっているのです。
・遅発性筋肉痛の症状
・痛み
遅発性筋肉痛の症状としては、痛みですよね。
ただ、動かさなければ痛みは生じず、動かすと痛みが生じるという特徴があります。
遅発性筋肉痛の研究では、圧痛と言って、筋肉に機械的な圧をかけて痛みの程度を計測します。
・筋線維の損傷
筋肉は筋線維という髪の毛ほどの太さの糸のようなものが束になってできています。
遅発性筋肉痛が生じるような状況では、この筋線維が切れたりして損傷します。
ただ、痛みの程度と筋線維の損傷の程度には関係性がないようです。
・筋力の低下
力を入れると痛みが生じるため、筋肉が発揮できる最大の力も低下します。
ただ、痛みの程度と筋力の低下にはあまり関係性がないようです。
3.筋肉痛の予防
伸張性収縮の運動では遅発性筋肉痛が生じます。
しかし、最初に軽めの負荷で実施すると、筋肉痛が軽くなります。
ですから、最初は軽い負荷から慣すようにしましょう。
そして、徐々に負荷を上げていくようにすれば、大きな痛みを経験することなく、トレーニングが継続できます。
とかく、最初は頑張りすぎてしまいがちです。
その気持をぐっと抑えてることが、継続への第一歩です。
よく、歳をとると、若い人より筋肉痛が遅れる生じると言われます。
実はそうではなく、年齢に関係なく同じタイミングで現れるそうです。
まとめ
- 運動後、12〜24時間後に生じる痛みを遅発性筋肉痛という。
- 遅発性筋肉痛は、伸張性収縮で力が発揮されていた後に生じる。
- 動かすことで痛みが生じ、筋線維の損傷、及び最大筋力の低下がみられる。
- トレーニング開始時の負荷は軽めにし、徐々に負荷を上げることで、痛みの発生を抑えることができる。
筋肉痛は誰でも嫌なものです。
これから運動を始めようする人にとっては、いきなりの試練です。
最初の運動でひどい筋肉痛が生じてしまうと、それが回復するまで時間がかかってしまいます。
結局、そのまま運動をやめてしまうことにも繋がってしまいます。
痛みの出ない工夫をして、楽しく運動を継続していきたいですね。
<参考文献>
・「運動と遅発性筋痛」、野坂和則、体育の科学70(10)、2020
コメント