体調をどうチェックすればいいんだろう?
自律神経のバランスをチェックする方法もあります。
運動を継続していると疲れが溜まってきます。
疲れが溜まった状態で運動をしても効果は低くなってしまいます。
そればかりか、体調を崩してしまい、運動を中止せざるを得ない状況に陥ることも。
そうならないためには日々の体調チェックは大切です。
では、どうやってチェックすればいいの?
そう悩んでいる方も多いと思います。
それには、自律神経のバランスをチェックしてみましょう!
えっ、自律神経って調べられるの?
直接、自律神経を計測することは難しいです。
しかし、間接的ではありますが、心拍変動というものを計測することで可能になります。
今回は、心拍変動から自律神経の状態を計測する方法について、以下の点から解説します。
1.なぜ自律神経を計測するのか?
自律神経は、交感神経と副交感神経があります。
運動すると交感神経の活動が増加します。
いわゆる、身体を戦闘態勢にします。
一方、副交感神経は、高まった交感神経を押さえ、身体をリラックスした状態にしてくれます。
それぞれの神経は反対の作用をしています。
ところが、疲労が溜まってくると、運動が終わっているのに交感神経がなかなか下がらない状態になります。
ですから、身体の状態を把握する一つの手段として自律神経が有効なのです。
2.心拍変動はどうやって計測するのか?
心臓は自律神経の活動で調節されています。
交感神経の活動が高まると心臓の活動が高まり心拍数が増加します。
逆に、副交感神経の活動が高まると心拍数は減少します。
緊張すると心臓がバクバクするのは、交感神経の活動が高まっているからです。
心臓は、規則正しく動いているように感じます。
ところが、細かくみていくと、そうではないのです。
心臓が動いている間隔は、1回1回微妙に変化しています。
これを心拍変動といいます。
心拍変動を調べるためには、心電図を記録しなければなりません。
心電図は、心臓の電気的活動を記録したものです。
健康診断で計測したことがあると思います。
心電図は、下図のような波形になります。
<図>
心臓が1回動くとPQRSTと名前が付けられた波形が現れます。
この中で最も大きく変化するR波を用いて、R波とR波の間隔(RR間隔)を計測します。
RR間隔は、心臓が1回動くごとの間隔を表し、この変動が心拍変動となります。
3.心拍変動からどうやって自律神経を推定するのか?
安静時は副交感神経の活動が活発です。
その時、RR間隔の変動は大きくなります。
つまり、RR間隔が短くなったり、長くなったりと常に変動します。
一方、交感神経の活動が活発になるとRR間隔がほぼ一定でそろってしまうのです。
この性質を利用して、心拍変動の変動具合を定量化することで自律神経活動を推定することができるという訳です。
つまり、
変動の定量化ではいろんな数学的手法が提案され、指標化されています。
よく聞かれるものとして、HF(高周波成分)、LF(低周波成分)などがあります。
HFは副交感神経の活動、LFは交感神経と副交感神経の両方の活動が関連していると言われています。
いろんな指標がある中で、自律神経をずばり評価できるものは残念ながらありません。
これらの指標をみながら、総合的に判断していくというのが現状です。
アプリなどで自律神経を評価するものもありますが、これらの指標を開発者の考え方で評価しているのです。
4.実際にはどうするのか?
・装置
心拍変動を計測するには装置が必要です。
腕時計タイプのものや、胸のセンサと腕時計がセットになったタイプのものがあります。
それぞれの機器で心拍変動の計測原理は違います。
また、内蔵アプリで自律神経の評価までしてくれます。
これだけで準備完了です。
・計測
朝、起床後、トイレにいった後に5分間ぐらい安静を保ってから測定して下さい。
・評価
間接的な指標なので、データの扱いが難しい。
単純に出てきた数値を鵜呑みにするのではなく、その数値の毎日の変化を捉えて下さい。
例えば、毎日計測していて、ストレスの評価指標が悪化してきている傾向があれば、副交感神経の活動が鈍ってきている。
つまり、交感神経の活動が回復しきっておらず、疲労が溜まっているという判断です。
地味な評価ですが、現状ではベストな方法だと考えます。
まとめ
- 日々の体調のチェックには自律神経の計測が有効である。
- 自律神経は、心拍変動を計測することで客観的に評価できる。
- 心拍変動の計測には専用の機器が必要となる。
- 毎日の計測で、自律神経の指標の傾向を掴み、疲労具合を判断する必要がある。
体調のチェックはなかなか難しいです。
自覚症状がない場合もありますので、客観的に評価したいものです。
今回の心拍変動だけでなく、毎日の体重や体温など、いろんな指標を参考するといいですね。
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