脂肪なんていらない!
そう思っている人多いですよね。
でも、脂肪にも大切な役割があります。
今は、高カロリーな食べ物に溢れ、エネルギーが消費しずらい世の中です。
うまく脂肪と付き合っていく必要がありますね。
今回は、脂肪について解説しました。
脂肪は必要
脂肪の役割
脂肪は邪魔者ではありません。
私たちの身体にとって重要なエネルギーとなるものです。
私たちの身体は、糖質と脂肪を分解したエネルギーから多くのエネルギーを得ているのです。
貯蔵という観点からみると、糖質は1gで4kcalであるのに対して、脂肪は1gで9kcalと、同じ重さでも2倍のエネルギーを貯められるのです。
脂肪は、エネルギーを貯蔵する上で優れものです。
また、体温を維持したり、外からの衝撃から身体の内部を保護したりとその役割は多岐にわたります。
肥満は現代の贅沢な悩み
現代でこそ飽食で、高カロリーな食べ物に溢れています。
しかし、つい最近まで食べるものが不足していた時代が日本にもありました。
というより、食べ物が不足していた時代の方が長かったのです。
だからこそ、人間の身体はエネルギーを貯蔵できるよう脂肪を活用してきたとも言えます。
さらに、便利な乗り物や道具に溢れ、身体を動かさなくても良くなってきています。
これにより、エネルギーが過剰に身体に蓄積するようになってしまいました。
「エネルギー摂取の過多」と「消費の減少」は、現代の贅沢な悩みなんです。
痩せすぎは大きな問題
肥満が問題になる一方で痩せすぎの問題も取り沙汰されています。
特に、女性で大きな問題となっています。
ファッションモデルさんが、痩せすぎが原因で亡くなられたニュースも後を絶ちません。
女性において、脂肪はエネルギーの蓄積以外にも重要な役割があります。
脂肪の量が少なくなると女性ホルモンのエストロゲンの分泌に異常が生じるのです。
その結果として、月経異常や無月経となってしまいます。
また、エストロゲンは骨を作ることにも関係してきます。
ですから、エストロゲンの分泌異常は、将来的な骨粗鬆症のリスクを高めます。
脂肪の量は適切に維持しておかなければなりません。
蓄積する場所
生活習慣病との関連では、脂肪が蓄積する場所が問題になります。
同じ体脂肪率でも、皮下に蓄積するよりも内臓周りに蓄積する方が生活習慣病へのリスクが高くなるのです。
最近、脂肪細胞からいろんな化学物質が分泌されていることがわかってきました。
内臓脂肪は、私たちの身体に悪影響を及ぼす化学物質の分泌を高め、良い影響を及ぼす化学物質の分泌を抑えてしまいます。
そのため、内臓脂肪に蓄積した場合に生活習慣病のリスクが高まるのです。
男性では、内臓脂肪が蓄積しやすいので、注意が必要ですね。
簡易的な体脂肪量の評価
脂肪の量を適切に管理する上で、その量を計測する必要があります。
自宅でもできる簡易な方法としてBMIとウエスト径を紹介します。
BMI(Body Mass Index)
世界的に用いられている指標です。
簡単に計算できますので、自分の値を求めてみてください。
計算上の注意点は、身長がcmではなくmだということです。
例えば、160cmの場合は1.6mで計算して下さい。
BMIの基準
BMI <18.5 低体重(やせ)
18.5 ≦ BMI < 25 普通体重
25 ≦ BMI 肥満
BMIが25の人は、脂肪の過剰な蓄積が疑われますので注意が必要になります。
BMIの注意点としては、肥満でなくても、筋肉質の人はBMIが大きくなってしまうことです。
ですから、激しいトレーニングをしている人やアスリートはBMIで脂肪量を評価するのは難しいです。
ウエスト径
BMIだけでは、どこに脂肪が蓄積しているのかわかりません。
そこで、ウエスト径を計測するのです。
計測のやり方は、国立健康・栄養研究所の以下のサイトの動画が参考になります。
→ https://www.youtube.com/watch?v=htn1ZGixDCY
男性で85cm以上、女性で90cm以上になると内臓脂肪型肥満が疑われます。
しかし、ウエスト径はあくまでもスクリーニング検査です。
正確にはMRIなど腹部の断層画像で評価する必要があります。
より正確な測定
正確に体脂肪率を推定する機器も開発されています。
体重計で、体重とともに体脂肪率を計測してくれるものもあります。
インピーダンス法という方法で計測するものです。
ただ、こちらは身体の水分量で計測値が変動しますので注意が必要です。
より精度の高いものでは、水中体重秤量法、空気置換法、DXA法などがあります。
しかし、これらは研究所、病院など特定の場所でしか検査できません。
まとめ
- 脂肪は、エネルギーを蓄積する上で最も効率がよい。
- 肥満は生活習慣病のリスクを高めるが、痩せ過ぎも身体に危険な状態をもたらす。
- 脂肪は、量より、どこに蓄積しているかが生活習慣病のリスクと関連する。
- 脂肪の蓄積の程度を計測する簡易な方法としてBMIがある。
- インピーダンス法を用いた簡便な体脂肪率の計測器も広く用いられている。
- 簡易・簡便な計測法は、あくまで目安として用いる。
- 精度の高い機器で体脂肪率を計測しておくことが望まれる。
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