メディカルチェックを受けてから運動を始めよう!

健康・運動

最近、お腹が出てきちゃたから運動しようと思うんだけど。

お医者さんで検査してからの方がいいですよ。

健康診断で少し血圧高めだと言われただけだから、特に問題ないよ。

安静時と運動時は違います。運動時のチェックが大事なんです。

今回は、メディカルチェックがなぜ必要なのかを解説します。

運動もストレッサーの一種

運動は、生活習慣病の予防・改善の効果があります。

また、メンタルにも良い効果を与えることも、科学的に証明されています。

ただ、「運動=健康」とは必ずしも言えないのです。

私たちの身体にとって、運動もストレッサーの一つです。

適度な運動は身体をよい状態にしますが、過度な運動は私たちの害にもなり得るのです。

また、ストレスに耐えられる身体の状態でないと、悪影響になってしまうのです。

運動時の事故

スポーツ種目別の突然死発生数が報告されています。

どんな種目で突然死が多いと思いますか?

実は、ランニングでの突然死発生率が高いことが報告されています。

マラソン大会とかで亡くなられた方がいることは新聞などでも報道されていますね。

ただ、年代別で60歳以上になるとゴルフの突然死が多いそうです。

運動中の死亡事故の数自体はそんなに多くないそうです。

しかし、だからと言って安心はできません。

ハインリッヒの法則ってご存知ですか?

「1件の重い災害があったとすると、29回の軽傷、傷害のない事故を300回起こしている。」

というものです。

1件の突然死の影で、多くの気づかないヒヤヒヤな状況があるのです。

中高齢者は特に注意

中高齢者は、日頃の生活習慣の影響で、潜在的に心臓血管系にトラブルを持っている方が多いと考えられます。

運動中の突然死は心臓血管系のトラブルによるものです。

トラブルとは、血管の詰まりで生じます。

高カロリー食や運動不足は血管内にプラークという盛り上がりができます。

そうすると、血管内が狭くなり、血液の流れが悪くなります。

心臓は心筋という筋肉でできています。

心筋が動くことで血液を全身に送ることができるのです。

このように心筋が動くためには、栄養や酸素が必要となります。

心筋に栄養や酸素を送っているのが、心臓の周りに張り巡らされた血管である冠状動脈です。

冠状動脈の血液の流れが悪くなってしまった状態が虚血性心疾患です。

中高齢者の運動中の事故は、この虚血性心疾患によって引き起こされるのです。

中高齢者の大きな個人差

中高齢者でありがちなのが、「あの人が運動できるなら、自分も大丈夫」という考えです。

これは危険な考え方です。

中高齢者では、それまでの生活習慣で身体の状態が大きく変わります。

よく体を動かし、食生活にも気を配っている人では、若者と変わらない健康・体力状況です。

一方、運動不足で食生活に気を配っていない人では、年齢以上の状況の人も。

このように、中高齢者は個人差がとても大きいのです。

「あの人が」というような、他人との比較はしないで下さい。

メディカルチェックの必要性

運動は、心臓血管系に大きなストレスをかけることになります。

そのような状況でも、異常なく身体が機能するのかをチェックすることが大切です。

それを行うのがメディカルチェックなのです。

メディカルチェックでは、安静時の状態だけでなく、運動時の心臓血管系の機能もチェックします。

運動負荷試験と言います。

自転車こぎや歩行・ランニングなどの運動しながら、心電図や血圧を計測します。

心電図は、心筋の電気的な流れをチェックして、心臓の動きに異常がないかを調べることができます。

運動中に心電図や血圧を測定することが重要です。

それは、安静時に隠れている異常が、運動時に現れることがあるからです。

メディカルチェックで、運動時に心臓血管系の機能に異常がないかを確認しておけば、安心して運動できますね。

まとめ
  • 運動には、良い面もあるが悪い面もある。
  • 運動による事故は起こっている。
  • 中高齢者は身体状態に大きな個人差があり、他人との比較は危険である。
  • メディカルチェックで、運動時の心臓血管系の機能チェックが大切である。

メディカルチェックを受けるにはお金がかかります。

しかし、健康のために始めた運動で亡くなるのは本末転倒です。

車でも定期点検があるように、私たち自身の点検も必要です。

安静時だけでなく、運動中のチェックを忘れずに。

コメント

タイトルとURLをコピーしました