運動の種類って? 〜無酸素運動〜

健康・運動

「無酸素運動」って何ですか?健康づくりに関係するのですか?

酸素を使わずエネルギーを生み出して行われている運動のことです。

健康づくりにおいても無酸素運動は大切になりますよ!

運動には種類があります。

「野球」「サッカー」「バスケットボール」、などという種類ではありません。

「有酸素運動」と「無酸素運動」という種類です。

これは、運動を行うのに必要なエネルギーを、どのように作っているかで分類しているのです。

酸素を使うのか、酸素を使わないのか、という分け方ですね。

運動を実践する場合、「ムキムキになる!」とか「脂肪を減らしたい!」など、目的を持っていると思います。

その目的を叶えるためには、その目的に適した運動の種類を実施することが大切です。

健康づくり運動として、有酸素運動が注目されています。

一方で、フレイル(注1)やロコモティブシンドローム(注2)など、中高齢者の筋肉や骨の問題も転倒や骨折との関係で大変注目されています。

(注1)加齢により心身が老い衰えた状態(https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/frailty/about.html)

(注2)運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態(https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/locomotive-syndrome/about.html)

ただ、有酸素運動では、筋肉や骨への十分な刺激となりません。

これには無酸素運動が必要になりなるのです。

ですから、無酸素運動も健康づくりには欠かせない運動と言えるのです。

今回は、運動の種類について、「無酸素運動」について以下の内容で解説します。

  • 無酸素運動とは
  • 運動強度が大切
  • 身体への影響

無酸素運動とは

筋肉が動くためにはエネルギーは、ATP(エー・ティー・ピー)と呼ばれる物質です。

これがないと筋肉は動くことができません。

車でいうとガソリンに例えられます。

ATPは身体の中に少ししかないので、使ったら作らないといけません。

車ならガソリンスタンドで給油でいいのですが・・・

ATPを作るのには3つの経路があります。

ATPを作る3つの経路

 ① ATP-PCr系

 ② 乳酸系(解糖系とも呼ばれます)

 ③ 有酸素系

この内、①と②は、酸素を用いずATPを作ることができるので「無酸素系」とも呼ばれます。

短時間に大きな力を出すような運動で無酸素系が活躍します。

ある運動が、無酸素系でそのほとんどのATPが作られるような運動を「無酸素運動」というのです。

運動強度が大切

短距離走、自転車のスプリント競技やレジスタンストレーニング(いわゆる、筋トレ)などが無酸素運動に分類されます。

ただ、注意点があります。

例えば、おもりを持って運動すれば全てが無酸素運動という訳ではありません。

おもりが軽く、ずっと続けられる運動は無酸素運動ではありません。

重要なポイントとなるのが「運動強度」で、文字通り運動の「強さの度合い」を表しています。

つまり、おもりの重さがその人にとってどの程度の強さになってるかが重要になります。

肘を曲げておもりを持ち上げる運動であれば、1回だけ持ち上げられる最大の重量に対する割合が運動強度となります。

無酸素運動は、高い運動強度で運動を実施できる分、持続できる時間が短くなります。

運動時間としては、おおよそ40秒が限界だと言われています。

一生懸命やっても40秒程度しか持続できない運動が無酸素運動になるのです。

身体への影響

良い影響

良い影響としては、筋肉への刺激となり、筋肉量・筋力を増やしてくれる点が挙げられます。

有酸素運動では、心肺機能への負担は十分であっても、筋肉への刺激は足りません。

ですから、筋肉を鍛えるには無酸素運動が必要になります。

40歳あたりから筋肉が減少してしまうサルコペニアやロコモティブシンドロームが中高齢者の問題として注目されています。

筋肉の量の低下は筋力の低下につながり、活動量の低下や転倒のリスクを高めることになります。

高齢者においては、骨折してしまうと治るまでに時間がかかり、寝たきりになるリスクが出てきます。

寝たきりになればますます筋肉が衰え、さらに認知症のリスクも高まってきます。

このような負のスパイラルに陥らないためにも、筋肉量・筋力をある程度高めておくことが大切です。

ですので、スポーツ選手だけでなく、私たち一般人、特に中高齢者でも大切な運動種目となります。

悪い影響

悪い影響としては、血圧、筋肉や関節への過度の負担、そして筋肉痛があります。

運動強度が高いため、運動中の血圧は高くなりやすくなります。

血圧の高い人は、実施において注意が必要です。

レジスタンス運動(筋トレ)では、呼吸を止めて頑張ってしまいがちになります。

このような状況では、さらに血圧を高めることになります。

呼吸を止めないことや、おもりを軽めにして回数を多くすることで筋肉に負担をかけるなど、中高齢者向けの工夫が大切です。

また、筋肉や関節に過度の負担をかけるため、足首、膝、股関節などに、もともと痛みのある人は、実施には注意が必要です。

さらに、慣れない状況では、筋肉痛が引き起こされます。

まとめ

  • 無酸素運動は、酸素を用いずに必要なATPのほとんどが作られる運動のことである。
  • 無酸素運動は、大きな力を出すことができるが、短時間しか持続できない。
  • 無酸素運動は、筋肉への刺激となり、筋肉量・筋力を維持・増加させる最適な種目である。

筋肉量・筋力の維持や向上のためには無酸素運動が最適です。

ぜひ、お試しください!

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