運動して汗びっしょり。
汗なんてかかなければいいのに・・・
暑い時期は、汗をかかないと大変なことになっちゃうんだよ。
えっ、そうなんですか?
体温を下げる大切な働きがあるんだよ。
今回は、「汗」について解説します。
3つの汗
発汗には3つのタイプがあります。
1)温熱性発汗
気温の上昇や運動による体温の上昇で生じる発汗です。
2)精神性発汗
緊張した時にでる汗です。
気温に関係なく、快適な温度でも発汗します。
発汗場所が特徴的で、手掌、足の裏、ワキなど部分的に見られます。
緊張した場面で、物を掴んだりした時のグリップ力を高めるためとも言われているようです。
3)味覚性発汗
唐辛子など辛いものを食べた時に出る汗です。
額や鼻などからの発汗が多いようです。
今回は、温熱性の発汗について見ていきます。
なぜ汗がでるのか
気温の上昇や運動などによる体温の上昇すると、身体にある温度を感知するセンサーがそれを察知して脳に情報を送ります。
脳の視床下部という場所には体温を調節する中枢があります。
身体の深部の温度は37度程度で一定に保たれていますが、これが増加する場合は体温を下げるように作用します。
交感神経 を通して汗腺に発汗させるような命令が送られるのです。
汗は汗腺から出る
汗は、汗腺と呼ばれる所から分泌されます。
汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類がありますが、体温調節に関わるのはエクリン腺から分泌される汗です。
全ての汗腺が働いている訳ではないようです。
発汗できる汗腺を能動汗腺と言われますが、日本人で230万個ぐらいはあるそうです。
ただ、その数は住んでいる環境によって異なることが報告されています。
気温の高い国で能動汗腺が多く、乳幼児期(生後1〜2年)にどういう環境に生活していたかで数が決まるようです。
汗をかくとなぜ体温が下がるのか
液体が気体になることを気化と言いますが、この際に周りの熱を吸収します。
これが気化熱です。
汗が皮膚表面に分泌され、蒸発されることで身体の温度を吸収してくれるという訳です。
打ち水や冷蔵庫もこの気化熱を利用して冷やしています。
湿度が高い時は要注意
発汗による熱を下げるためには、気化熱を生じさせることがポイントとなります。
しかし、発汗すればいつも気化熱が得られる訳ではありません。
有効発汗とは、体温調節に関わる発汗で蒸発して熱を奪う汗のことです。
無効発汗は、蒸発せず身体の表面を流れる汗で、水分が無駄に損失されます。
湿度が高くなると、有効発汗量が低下し,同じ汗の量でも熱を下げる量が低下するため体温の上昇を引き起こす危険性が高くなります。
気温ではなく、湿度が重要なポイントとなります。
湿度が高いということは、周りの空気がたくさんの水分を含んでしまっている訳なので、汗を取り込む余力が少なくなってしまっているんですね。
日本は、湿度の多い国ですので、熱中症になりやすい環境といえます。
十分注意したいですね。
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