トレーニング、続けてますよ!
ストレッチはしてますか?
ストレッチってしないといけないんですか?
ストレッチは身体のケアだけでなく、いろんな効果があります。
今回は、ストレッチについて解説します。
正式には「ストレッチング」と言います。
しかし、「ストレッチ」と略されたものの方がよく聞きますね。
ここでは、「ストレッチ」として話を進めます。
ストレッチの始まり
1970年代にアメリカでは、健康意識の高まりからランニングブームが起こりました。
その結果、下肢を中心とした痛みを訴える人が増えたようです。
その際、筋肉を伸ばすことで、身体のケアをする方法が考え出されました。
ボブ・アンダーソンがその発案者だと言われ、「STRECHING」(1975年)という本が有名です。
同じ頃、スポーツ科学の研究者が、柔軟性を高めるために筋肉を伸ばすことの有効性を報告しました。
これが、身体のケアとしてのストレッチが始まりだと考えられます。
ストレッチはゆっくり
ストレッチの際は筋肉をゆっくり伸ばすように指導されたと思います。
その理由を知ってますか?
その前に、まず、少し専門的なお話から。
筋肉には、自身の伸びを感知するセンサーがあります。
このセンサーは、筋肉が「急に」伸ばされることに敏感に反応するセンサーです。
センサーが、筋肉の急な伸びを感知すると、それが脊髄に伝えられ、筋肉を縮める命令に変換されます。
これは、伸張反射と言われ、意識しなくても自動で作動します。
筋肉は伸ばされると切れてしまいますので、縮めることで筋肉が切れないように守っている訳です。
では、本題に。
ストレッチの際に、筋肉を「急に」伸ばすと伸張反射が起こります。
これで筋肉が短くできればいいのですが、筋肉がくっついている関節は固定されているので短くなれません。
伸ばしている最中に、筋肉が急に縮まろうと逆方向に引っ張られ、結果的に筋肉にかなり大きな引っ張りの力が作用することになってしまいます。
この力によって、筋肉や筋肉と骨の付着部位が傷ついてしまうことがあるのです。
ですから、ストレッチは「ゆっくり」と筋肉を伸ばすのがポイントです。
このようなストレッチを、スタティック・ストレッチと言います。
一方、あえて伸張反射を引き起こすストレッチもあります。
ダイナミック・ストレッチやバリスティック・ストレッチと言われるストレッチです。
これらは、運動前にパフォーマンスを上げることを目的として行うストレッチで、身体のケアで用いるストレッチではありません。
これらのストレッチについては、また別の機会に。
身体のケアのためのストレッチのやり方
目的の筋肉をゆっくり伸ばしていき、痛みのない限界の場所で止めます。
その状態を20〜30秒程維持します。
この時、呼吸を止めてはいけません。
ゆっくり、大きな呼吸をしましょう。
呼吸が止まってしまうほど、無理に筋肉を伸ばさないようにして下さい。
ストレッチ中は、目的の筋肉に意識を集中させましょう。
所定の時間が経過したら、ゆっくり元の姿勢に戻していきます。
全ての動作をゆっくり行うことに注意しましょう。
ストレッチの効果
可動域が増加する
縮まって固くなった筋肉や腱(筋肉から骨に付着する部)などを伸ばすことで、関節の可動域が増加します。
可動域とは、関節が動くことができる範囲のことです。
運動不足や疲労状態が続くと、いろんな関節の可動域も狭くなっていきます。
可動域が狭くなると姿勢も悪くなり、腰痛や肩こりの原因にも。
リラックスする
最近では、ストレッチを実施することで脳波α波が増加したり、副交感神経活動が高まることが報告されています。
リラックスした状態でα波が出現し、副交感神経の活動が高まります。
ストレッチは、メンタル面にもよい影響があるんですね。
疲労の回復を早める
ストレッチによって血液循環がよくなることが報告されています。
血液循環がよくなることで、運動による疲労物質が除去され、疲労の回復が早まると言われています。
ストレッチは、様々な効果が期待されます。
お風呂上がりの時間などを利用して、ストレッチを実施するといいですよ!
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