運動の効果を上げるためには適切な休養が必要

健康・運動

ついつい頑張りすぎてしまう人、真面目な人に多いですよね。

運動を始めたら、毎日やらないと気がすまない・・・

頑張りすぎもよくないですよ。

毎日やった方が効果が高いんじゃあないんですか?

頑張りすぎると疲労も溜まって、運動による効果が得られないばかりか、日常生活にも支障がでてきてしまいます。

今回は、なぜ休養が必要か、解説します。

運動による疲労

疲労と言ってもかなり幅広い意味を持ちます。

精神的な疲労と運動による疲労、同じ疲労という言葉を使いますが、同じものではありません。

ここでは、運動に伴う疲労について考えます。

運動を行うと疲労が生じます。

運動による疲労では、パフォーマンスの低下、例えば、筋力の低下などを指します。

疲労は、以前は、筋肉から出される乳酸が原因だと考えられていました。

しかし、現在ではそれが間違いであるとされています。

ただ、乳酸がたくさんできるような状況では疲労が生じているようです。

また、運動による疲労には、末梢性疲労と中枢性疲労に分けてよく説明されています。

末梢性疲労は筋線維レベルで生じている疲労を指します。

一方、中枢性疲労は、神経系の疲労を指します。

超回復

運動によって疲労が生じた後、適切な休養を取ることで身体は回復していきます。

回復が疲労前のレベルに戻るのではなく、疲労前よりも良い状態になると言われています。

この良い状態のことを「超回復」と言います。

超回復は長い時間続くわけではなく、そのまま休んでいると低下していってしまいます。

この一連の過程を下図に示しました。

ここで曖昧なのが、「良い状態」とは何なのか?

超回復というのは考え方で、実験的に十分検討されているものではありません。

ただ、多くはないのですが、実験的に超回復が確認されているのが、筋グリコーゲンです。

運動によって、筋肉内に貯蔵されているエネルギー源であるグリコーゲンがなくなります。

その後、休みと十分な糖質を摂取すると、運動前よりも多くのグリコーゲンが筋肉内に貯蔵されることが確認されています。

ですので、おそらく、身体の機能全般が同じような変化を辿るであろうと考えられています。

オーバートレーニング

休まずに運動をし続けるとどうなるでしょうか?

疲労は、多少回復しますが、十分回復する前に運動が行われ、疲労が生じます。

また、翌日、疲労が十分回復する前に運動をすると・・・

下図のように、疲労はどんどん加算され、蓄積していきます。

そして、やがて肉体的にも、そして精神的にも限界がきます。

オーバートレーニングの状態です。

適切な休み

オーバートレーニングの状態では運動による良い効果は得られません。

運動はやればやる程、効果が出るわけではないのです。

そればかりか、運動中のケガの原因ともなります。

また、運動による疲労が抜けず、日常生活や仕事にまで悪影響が出ては意味がありませんね。

適切な休みを取り、超回復の良い状態で運動を実施することが大切です。

運動強度にもよりますが、1週間に実施する運動の回数の目安です。

  • 有酸素運動 →1週間に3回
  • 筋トレは →1週間に2回(1部位)

仕事などの都合もあると思いますので、できる時に上記の回数を目安に実施してみて下さい。

コンディションのチェック

身体の疲れ具合をチェックできるといいですね。

しかし、現状としては、直接、疲労を評価することはできません。

ですので、疲労に関わるものを間接的に計測していくことが現実的です。

基本的な測定項目は、体重と安静時の心拍数です。

起床時に、トイレ後に計測しましょう。

理由のわからない体重の減少や安静時心拍数の増加、これらは疲れが溜まっているシグナルになります。

もう少し、専門的にするなら、自律神経のチェックがオススメです。

自律神経も直接は計測できないのですが、心拍数から間接的に評価できます。

この辺りは、また詳しく解説します。

まとめ

まとめ
  • 運動による疲労には、末梢性疲労と中枢性疲労がある。
  • 運動による疲労後、適切な休みを取ることで疲労前よりも良い状態まで回復することを超回復と言う。
  • 疲労が溜まった状態で運動しても効果は得られないばかりか、ケガの原因にもなる。
  • 適切な休みをとり、身体の良い状態で運動を実施することが望ましい。
  • 疲労の状態を、毎朝の体重と安静時心拍数の計測でチェックする。

ついつい頑張りすぎてしまう、私たち日本人。

過ぎたるは及ばざるが如し、です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました