運動のことネットで調べてたらMETs(メッツ)っていう言葉がでてくるんだけど・・・
そうだね、トレーニングの強度やエネルギー消費量を考える際に大切な用語なんだよ。
そうなんだ、詳しく教えて!
では、今回はMETs(メッツ)について解説するね。
METs(メッツ)とは
運動の強さ(運動強度)を表す一つの指標です。
安静時に消費しているエネルギーを1MET(Metabolic Equivalent、複数形でMETs、メッツ)とします。
そして、様々な身体活動がこの1METの何倍に相当するかで運動強度を表します。
例えば、3METsの運動は、安静時の3倍のエネルギーを消費するような運動強度をもっていることになります。
安静時に私たちは3.5 [mL・kg-1・分-1]の酸素を取り込んでいて、これを1METと定めています。
酸素摂取量は、身体の大きさに影響されるので、体重で標準化すると、年齢・性別に関係なくこの値で一定になると言われています。
酸素1リットル摂取(消費)されると、5kcalのエネルギーが消費されたことを意味し、酸素摂取量はエネルギー消費量と等価となります。
身体活動のMETs値
いろいろな身体活動や運動のMETsが報告されています。
「健康づくりのための身体活動基準2013」では、生活活動と運動のMETsが報告されています。
生活活動では、子どもの世話(立位)や台所の手伝いが3.0METs、子どもと遊ぶ5.8METs、スコップで雪かきで6.0METsなど。
運動では、ラジオ体操第1が4.0METs、バドミントン5.5METs、ランニング(139m/分)で9.0METsなど。
ネットで検索するといろいろと出てきますので、ご自身で確認してみてください。
METsの利点
運動強度がわかる
METsはその値で運動強度を知ることができるので便利です。
例えば、最大酸素摂取量が35.0 [mL・kg-1・分-1]の人を例に考えます。
1MET=3.5 [mL・kg-1・分-1]なので、この値をMETsにすると、35÷3.5で10.0METsになります。
すなわち、この人は10METsの運動が限界ということです。
この人にとってラジオ体操第1(4.0METs)は40%(4.0÷10.0✕100)で、らくらくできる運動です。
一方、ランニング(139m/分、9.0METs)は90%(9.0÷10.0✕100)となり、かなりきつい運動だと判断できるわけです。
METsから運動で消費されるエネルギー量がわかる
METsは安静時の酸素摂取量として表しますが、エネルギー消費量にも変換することができます。
次のように計算することができます。
エネルギー消費量(kcal)=METs✕運動時間(h)✕体重(kg)
正確には、さらに1.05倍するのですが、大きくズレることはないので、覚えやすい上記で使用してみてください。
ここで注意が必要なのは運動時間です。
運動時間は、「分」ではなく「時間」で表します。
30分は0.5時間という具合です。
例えば、体重70kgの人が、ランニング(139m/分、9.0METs)を30分実施した場合、
エネルギー消費量=9.0✕0.5✕70=315(kcal)となります。
これを応用して、1日の活動を分単位でMETsに変換すれば、1日のエネルギー消費量が計算できます。
METsの限界
全ての身体活動や運動のMETsが調べられている訳ではありません。
報告されているもの以外は、報告されている値から推測するしかありません。
また、METsは厳密な値ではありません。
例えば、バドミントンといっても、その試合(練習)内容で値は変わるはずです。
弱い相手との打ち合いと、実力が互角の相手と激しく打ち合っている場合では、エネルギー消費量は違います。
このあたりのことは考慮されていません。
あくまでもおおよその値ということを理解しておく必要があります。
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