運動をはじめたのはいいが、どのぐらいの量をやればいいのか?
健康日本21第二次の基準を参考にしましょう!
運動をはじめたけどどのくらいやればいいのかわからない。
そんな方、多いと思います。
運動をはじめた目標にもよりますが、健康になることを考えるなら次のような運動を実践することを考えましょう。
これは、健康日本21(第二次)で示された「健康づくりのための身体活動基準2013」を満たすように考えたメニューになります。
健康づくりのための身体活動基準2013では、以下のような基準が示されています。
この基準は18〜64歳を対象としたもので、65歳以上では別の基準になります。
ちなみに、健康日本21(第2次)は、厚生労働省によって推進されている2013年度から始まった国民健康づくり運動です。
では、今回は、健康づくりのための身体活動基準2013(18〜64歳)について、以下の3点を解説します。
- 身体活動
- メッツ・時
- 具体的な実践方法
1.身体活動
身体活動は、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動作のことを指します。
そして、身体活動は、「生活活動」と「運動」に分けて考えます。
それぞれの内容は以下の通り。
以前は、運動のみに着目して、このくらいやりましょうという基準でした。
しかし、私たちは、掃除をしたり、通勤であったりと、運動以外でもエネルギーを消費しています。
これも加味した基準となっているのです。
2.メッツ・時
・メッツ
メッツは、椅子に座って安静にしている状態を基準とした運動強度の指標です。
様々な活動が、この安静状態よりも何倍エネルギーが必要である(きつい)かを表しています。
例えば、ラジオ体操第1は4メッツです。
これは、安静状態よりも4倍のエネルギーが必要だということです。
様々な運動や生活活動のメッツが調べられています。
詳細は以下のPDFを参照してください。→資料(p55にあります)
・メッツ・時
メッツに時間を掛け合わせたものをメッツ・時と表します。
メッツが運動強度になりますので、それに時間をかけ合わせると運動量になります。
どのぐらい運動をやったかという量です。
注意点は、「時」です。
これは、時間で分ではありません。
つまり、30分は0.5時間として計算します。
例えば、ラジオ体操第1(4メッツ)を3分やったとします。
メッツ・時は以下のように計算されます。
4 ✕ 0.05 = 0.1メッツ・時
3分は、3/60 → 0.05時間
メッツ・時の便利な点は、体重をかけ合わせるとエネルギー消費量になることです。
メッツ・時間✕体重(kg)=消費カロリー(kcal)
例えば、3分間のラジオ体操第1で消費したカロリーは以下の通り。
4 ✕ 0.05 ✕ 70 = 14 kal
3.具体的な実践方法
ウォーキングだけで23メッツ・時をクリアすることを考えます。
やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)はメッツ表で4.3メッツになります。
これで、基準となる23メッツ・時を確保するには
23メッツ・時 ÷ 4.3メッツ = 5.4時間
5〜6時間かかることになります。
毎日1時間の運動だとだいたい5日になります。
まとめて1時間を確保できない場合は、分割をします。
例えば、朝20分、昼20分、夕方20分と分割しても大丈夫です。
20分✕3回でも1時間と同じ効果が得られます。
会社員の方だと、行き帰りの通勤とお昼休みなどを活用してみましょう。
週末などに、少し長めの運動の時間を確保できれば、毎日の活動は減らすことができます。
まとめ
- 健康のためには、身体活動で1週間に23メッツ・時、運動で1週間で4メッツ・時を実践する必要がある。
- この基準を満たすには、やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)で週に5日実践する。
- まとまった時間が確保できない場合は、例えば、1日1時間を、朝20分、昼20分、夕方20分と分割して実施しても良い。
残念ながら、運動だけでは、体脂肪や体重は急に減少しません。
しかし、確実に身体の中は変化します。
脂肪も着実に減り、高かった血圧は下がり、健康な状態に近づいていきます。
短期的な効果を求めず、長い目で効果を判断して下さい。
それが健康づくり運動の特徴です。
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