運動負荷試験ってなんですか?
運動している時の身体の生理情報を調べるための試験です。
なにを調べてるんですか?
主に、運動中に心臓や血管系の調節に異常がないかをチェックしています。
今回は、運動負荷試験について解説します。
運動負荷試験
メディカルチェックで行われる運動負荷試験は、安静時には隠れている身体の異常を発見するために行われます。
主に、心臓・血管系の異常をチェックすることに主眼が置かれています。
というのも、これらの異常は運動中の突然死にもつながるからです。
健康診断を受けているから大丈夫と思っている人も多いと思います。
でも、健康診断は安静の状態でもチェックです。
安静時には問題がなくても、運動すると異常が現れます。
だから、要注意なんですよね。
負荷装置
運動負荷試験では、運動負荷装置を用いて運動を実施します。
運動負荷装置とは、自転車エルゴメータやトレッドミルがよく知られてします。
自転車エルゴメータは、その場で自転車運動ができ、転倒などのリスクも無いので、自転車に不慣れな人でも安心して運動できます。
トレッドミルは、地面がベルトコンベアのように動き、その上を歩いたり走ったりする装置です。
いずれも、運動しても場所が移動しないので、最初は変わった感覚かもしれませんが、すぐに慣れます。
これらは、スポーツクラブにも置いてある装置なので、使ったことがる方もいらっしゃるのでは。
その場で運動ができるので、いろんな機器を装着して生体情報を記録しやすい訳です。
これらの装置を用いて、軽い運動から徐々にきつい運動まで負荷をかけていき、異常をチェックしていきます。
心電図の記録
心電図は、心臓の筋肉の電気的な活動を記録するものです。
胸にセンサーを装着し、体表面から記録することができます。
心電図は、心臓が動く度に一連の波が現れます。
正常であれば、規則正しい波形が連続して現れます。
心臓や血管系に異常があると、この一連の波の形が変わってくるのです。
現れる波は、心臓の活動部位と関連があります。
心電図で異常が見つかれば、それがどの部位に問題があるかがわかるのです。
皮膚の表面から計測してわかるんだから、すごいですね。
血圧の記録
血圧の測定は皆さんもよくご存知ですよね。
腕にカフを巻き、空気で圧力をかけて測定します。
運動をすると、安静時と比較して最高血圧は増加します。
一方、最低血圧の方は、ほとんど変化しないか、若干減少すると言われています。
最高血圧は、運動がきつくなるほど増加していき、200mmHgぐらいまで増加していきます。
心臓・血管系に異常があると、血圧の調節がうまくいかないことも多いようです。
血圧が異常に上昇したり、逆に、減少したり。
このような異常が見られないかを運動負荷試験ではチェックします。
呼気ガスの記録
呼気ガスは、運動中に排出される息から、身体にどのぐらい酸素が取り込まれたのか、二酸化炭素がどのくらい排出されたのかを記録します。
この測定のために、鼻と口を覆うマスクを着用します。
また、酸素や二酸化炭素の濃度を分析する専用の機器が必要になります。
これらの測定は、異常を見つけるというようりは、現在の体力の状況を把握するためのものです。
また、今後、どんな運動を実施していくのかを考える上での重要なデータとなります。
運動負荷試験で身体が運動に耐えられる状態をチェックしましょう!
せっかく運動を始めるのに、思わぬ事故に合わないためにも。
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