年をとっても筋トレの効果ってあるの?
もちろん、あります。逆に、中高齢者は筋トレが必要なんです。
えっ、そうなんですか?
中高齢者では、筋肉量が年々減っていきます。それによって身体にいろんな問題が生じます。
今回は、中高齢者こそ筋トレが必要な理由を解説します。
サルコペニア
サルコペニアという言葉、知ってますか?
サルコペニアは、ギリシャ語で筋肉を意味する「サルコ」と、喪失を意味する「ペニア」を組み合わせて作られた言葉です。
1989年にアメリカのRosenbergによって提唱されました。
加齢に伴い骨格筋が減少する状態です。
50歳以降、毎年1〜2%もの筋肉量が減少すると言われています。
原因として、年齢以外の要因がない原発性のものと、活動量の低下、疾病や栄養不足など明らかにな要因がある二次性のものが考えられているようです。
筋肉量の減少の問題点
筋肉量が減ることで何が問題なのでしょうか?
実は、大きな社会問題を引き起こしているんです。
筋肉量が減少すると活動量が減少します。
筋肉が少ないから、身体を動かすのが大変になるので、必要以上は動かなくなるんです。
動かなくと、筋肉はますます減少する。
負のスパイラルです。
活動量が低下すると脂肪が蓄積します。
身体を動かさなくても食べる量は変わりませんよね?
そして、筋肉量の低下が脂肪に置き換わって生活習慣病へ・・・
また、筋肉量の低下によって転倒の危険性が増えます。
転倒すると、骨折、寝たきり、・・・介護が必要に。
日本の医療費はますます圧迫されるという訳です。
サルコペニアの予防
筋肉量の減少をなんとか防ぎたいですよね。
そのためには、運動の実践とタンパク質の摂取です。
運動の実践
運動の中でも、特に、筋トレが大切なようです。
私たちの筋肉には、遅筋線維と速筋線維があります。
サルコペニアでは、速筋線維がまず萎縮するようです。
ですので、速筋線維の減少を食い止めなければなりません。
速筋線維を刺激するには、筋トレが必要だという訳です。
トレーニングの特異性の原理ですね。
タンパク質の摂取
筋肉の材料となるタンパク質の摂取が大切です。
筋肉は、常に分解と合成が繰り返されています。
加齢とともにそのバランスが崩れ、分解の方に傾き、筋肉量が減少しやすくなっています。
タンパク質は消化されてアミノ酸となり、それが筋肉をつくる材料となるのです。
中高齢者では、タンパク質の摂取が少なくなっています。
また、中高齢者の筋肉では、タンパク質を合成するのに、若い頃よりも多くのアミノ酸が必要なんです。
タンパク質の摂取には注意したいですね。
ただ、過剰摂取も腎臓などに負担をかけるので要注意です。
筋肉は骨の強さにも関係
筋肉量は骨の強さにも関係してきます。
骨も、常に分解と合成が繰り返され、そのバランスで成り立っています。
バランスが崩れ、分解の方に傾くと、骨は弱くなりスカスカに。
骨粗鬆症です。
骨も折れやすくなります。
骨を強くするには、カルシウムを摂取することがよく知られています。
しかし、それだけではダメで、運動も骨を強くするために重要な働きをしているのです。
運動によって筋肉が動く(収縮する)と、付着している骨に刺激を与えるのです。
この刺激が骨を強くすることに作用するのです。
筋肉量を維持することは、骨を丈夫に保つ上でも大切なのです。
中高齢者であっても、トレーニングをすれば効果があることは科学的に証明されています。諦めずに、今からでも筋トレを初めてみませんか?
筋トレのやり方については、また改めて解説します!
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