今は、エネルギーを消費することが難しい世の中です。
便利な機器とは、詰まるところエネルギーを節約できるものです。
例えば、車はとても便利です。
しかし、車の使用で私たちが消費するエネルギーはかなり少なくなっています。
一方で、巷には高カロリーな食べ物が溢れています。
つまり、消費と摂取のバランスを取るのがかなり難しくなっているのです。
エネルギー消費量を増やす上で大切なのが、有酸素能です。
有酸素能は、酸素を使ってどれだけエネルギーが生み出せるかという能力です。
有酸素能は生活習慣病とも関連し、若者だけでなく中高齢者も維持しておきたい能力です。
今回は、以下の内容で有酸素能について解説します。
- 有酸素能とは
- 有酸素能と健康
- 有酸素能を高める方法
有酸素能とは
有酸素能は、酸素を使ってどれだけエネルギーが生み出せるかという能力です。
私たちの身体に必要なエネルギーは、ATP-PCr、乳酸系、有酸素系の3つの方法で作っています。
このエネルギーを使って、筋肉が動いています。
3つの内、ATP-PCrと乳酸系は酸素を用いないため、無酸素系とも言われたりします。
一方、有酸素系は、酸素を使ってエネルギーを作る方法で、日常生活で必要となる多くのエネルギーは有酸素系から作られています。
この有酸素系では、酸素をどれだけ体内に取り込めるかが重要になります。
そのため、有酸素能は「最大酸素摂取量(VO2max)」で評価されるのです。
詳細は以下のブログをご覧下さい。
基準値
「健康づくりのための身体活動基準 2013」では、年齢別の有酸素能の基準値を示しています。
その基準値は以下の表の通りです。
年齢 | 18〜39歳 | 40〜59歳 | 60〜69歳 |
男性 | 11.0(39) | 10.0(35) | 9.0(32) |
女性 | 9.5(33) | 8.5(30) | 7.5(26) |
数値は、最大酸素摂取量をメッツで表したものです。
1METの3.5 [mL・kg-1・分-1]で最大酸素摂取量の値を割った数値になります。
()内の数値が最大酸素摂取量で、単位は[mL・kg-1・分-1]です。
この数値を維持できるようにすることが、健康を維持する上で重要になります。
基準値に達しているかの確認法
では、どうしたら最大酸素摂取量がわかるのでしょうか?
精確に計測するには、運動中に体内に取り込まれた酸素や吐き出された二酸化炭素の量を計測する特殊な機器が必要です。
また、測定に精通した専門家の元で計測を実施することになります。
ですので、どこでも計測できるものではなく、スポーツ科学系の大学や研究所など特殊な場所でなければ難しいです。
最大酸素摂取量を精確に計測するのは現実的ではありません。
そこで、おおよそ基準を満たしているかの確認をする方法があります。
基準になるメッツを手がかりにする方法です。
そのメッツに相当する運動を3分以上継続できた場合は基準を満たしていると考えるのです。
例えば、40〜59歳の場合は、10.0メッツが基準値です。
公表されているメッツ表によると、このメッツは9.7km/時(161m/分)〜10.8km/時(180m分)のランニングに相当します。
ですから、このスピードでランニングをして、3分間継続できれば基準がクリアできたと判断するのです。
測定では、トレッドミルがあると便利ですので、スポーツクラブなどで実施することをオススメします。
また、実施する際にはインストラクターの方に近くにいてもらえると安心ですね。
最大酸素摂取量の数値はわかりませんが、基準値をクリアできているのか、できていないのかは判断できます。
ただ、全力に近い運動になると思いますので、血圧が高いなど体調に不安のある方、運動習慣のない方、高齢者の方は無理はしないで下さい。
有酸素能と健康
生活習慣病
脂肪は、有酸素運動でのみ使われます。
有酸素能が低下するということは、脂肪がどんどん使えなくなり身体に蓄積していってしまいます。
このため、生活習慣病のリスクがぐんと高まるのです。
有酸素能というと、マラソン選手などに必要な能力で、一般人にはあまり関係ないと思っている方もいるかも知れません。
そんなことはないんです。
有酸素能は健康を維持する上でとても大切な要因なのです。
有酸素能とエネルギーを消費量
有酸素能が高いこととエネルギー消費量は直結します。
健康づくり運動として、同じように50%VO2maxで30分の運動を実践したとしても、VO2maxが高い人の方が多くのエネルギーを消費できます。
例えば、VO2maxが30 [mL・kg-1・分-1]と20 [mL・kg-1・分-1]の人の場合を考えてみます。
50%VO2maxは15 [mL・kg-1・分-1]と10 [mL・kg-1・分-1]になります。
同じ強度の運動していても、1.5倍も酸素、すなわちエネルギーを消費しているのです。
このため、「有酸素能が高い」=「太りづらい」とも言えます。
また、有酸素能が高いと、動いても疲れないので、活動的になるのもエネルギー消費量の面からは良いことですね。
有酸素能を高める方法
運動習慣のない人を対象に有酸素能を高める方法について紹介したいと思います。
運動として、ウォーキングやジョギングをオススメします。
シューズとウェアなど、手軽な準備で、自宅の近くで簡単に始められるのがこれらの運動のメリットです。
各ステップ、1ヶ月ぐらいを目安に実施してみましょう。
きつい場合には、無理をせずに前のステップに戻っても構いません。
大切なのは、運動習慣をつけることです。
トレーニング効果がでると、目標心拍数になるよう運動していると、以前より速いスピードで走れるようになってくると思います。
時間を決めて、走行距離などを計測しておくと、トレーニング効果が実感できると思いますよ。
まとめ
- 有酸素能と健康は密接に関連しており、各年代で基準値が設定されている。
- 有酸素能が低いと生活習慣病のリスクが高まる。
- 有酸素能を高めるとエネルギー消費量が上がり、太りづらい身体に変わる。
- 有酸素能を高めるために運動を習慣化する必要がある。
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