肩がこって困っているんですが、どうすればいいですか?
肩こりの原因にもよります。
筋肉の疲労などが原因なら姿勢に気をつけたり、ストレッチングをすることをオススメします。
厚生労働省による2019年の国民生活基礎調査の概況によると、病気やけが等で自覚症状の有る者の内、症状別の1・2位は以下の通りです。
女性: 1位 肩こり 2位 腰痛
男性: 1位 腰痛 2位 肩こり
特に、女性では、肩こりを訴える方が多いようです。
このように、多くの人が悩まされている肩こり。
どうすれば予防できるのでしょうか?
肩こりを予防するには以下の4つのことに気をつけてみてください。
ただ、肩こりの原因は一つではありません。
中には、他の病気が原因となっている場合もあります。
首や肩を動かしてもいない、症状がどんどんひどくなるなどの場合は病院で検査した方がよいかもしれません。
たかが肩こりと軽く考えないほうがよいですね。
今回は、以下の内容で肩こりについてお伝えします。
- 肩こりの原因
- 肩こりの予防
肩こりの原因
肩こりといっても原因はいろいろあるようです。
- 筋肉や骨の原因
- 筋肉や骨以外の原因
- 原因がはっきりしないもの
筋肉や骨の原因
筋肉や骨のケガによって生じる痛みです。
また、背骨の椎間板(ついかんばん)によって神経が圧迫されて痛み・こり・しびれなどが生じるパターンもあります。
40肩、50肩と言われるものは、肩関節周囲炎と言って、肩関節の骨・軟骨、筋肉などの組織に慢性的な炎症が起こることで生じる痛みです。
筋肉や骨以外の原因
肩や首周辺に原因がないタイプのものです。
内臓の病気や高血圧、また眼精疲労や精神的ストレスによって生じることもあります。
原因がはっきりしないもの
原因がはっきりしないものを本態性肩こりと呼ばれています。
肩こりの大半は、このタイプのもののようです。
原因が明確であれば、対処法もあります。
視力や血圧などが原因であるとは意外と気づかない要因ですので、注意してください。
また、肩こりが、命に関わる病気が原因である可能性もありますので、病院で精密検査を受けチェックすることをオススメします。
肩こりの予防
肩こりの予防として、以下の4つを紹介します。
- 姿勢をチェックする
- 同じ姿勢を長時間続けない
- 筋力を維持する
- ストレスを貯めない
姿勢をチェックする
肩には、頭や腕がくっついています。
70Kgの人で、頭で約7kg、片腕で約5kgの重さがあります。
それらを肩関節が支える訳ですから、常に大きな負担がかかっていることになります。
ですから、悪い姿勢ではより肩周辺への負担が増加してしまいます。
特に、首を前に曲げた状態は首や肩に大きな負担をかけます。
資料を読んだり、スマホを見たり、私たちの日常ではこのように頭を下げて作業をしている時間が多いです。
首や肩に負担の少ない頭の位置にするなど、工夫が必要です。
同じ姿勢を長時間続けない
デスクワークなどでは、長時間同じ姿勢をとっています。
パソコンの作業時は、腕を前に出し、キーボードを叩いています。
肘から先は、多少動きはありますが、腕はほとんど動いていません。
しかし、その姿勢を維持するために、肩関節周りの筋肉は長時間にわたり緊張していることになります。
このような状況では、肩関節周りの筋肉の血液の流れが滞り、疲労を生じさせていると考えられています。
これが肩こりになるのです。
ですので、例えば30分仕事したら肩を回すなど、定期的に姿勢を変え、意識的に肩周りを動かす習慣をつけましょう。
このように、デスクワークが中心の仕事ですと、日頃肩を大きく動かす機会が減ってしまいます。
そうなると、肩の可動域(動く範囲)が狭くなっていきます。
可動域が狭くなっている状況で、肩を急に大きく動かした時に筋肉や関節などを痛める原因ともなります。
お風呂上がりなどに、肩関節周りのストレッチングをすることをオススメします。
筋力を維持する
重たい頭や腕を支えているのは筋肉です。
その筋肉も運動不足や加齢で衰えていきます。
頭や腕の重さは、年齢でそんなに大きく変わりませんから、筋肉が弱くなれば筋肉への負担が増えることになります。
ですから、肩・首周りの筋肉を鍛えることをオススメします。
脚の筋肉を鍛えることが重要なことを理解が進んでいますが、肩関節周りの筋肉も同様に大切です。
ストレスを貯めない
ストレスが肩こりの原因になっています。
ストレスでは、交感神経が高まった状態で、首や肩周りへの血液の流れが滞る原因ともなります。
定期的にリフレッシュして、ストレスを貯めないようにしたいですね。
ウォーキングなど軽運動の実践はリフレッシュ効果があります。
ぜひ、お試しください!
また、ストレッチングは、筋肉をほぐすとともに、交感神経活動を抑える働きもありますので、一石二鳥です。
ぜひ、ストレッチングも習慣化してください!
まとめ
- 女性が訴える自覚症状の1位は肩こりで、男性でも2位となっている。
- 肩こりの原因は多岐にわたり、命に関わる原因で生じることもあるので注意が必要である。
- 肩こりの予防としては、姿勢のチェック、定期的な肩の運動、肩関節周りの筋力の維持、ストレスの発散などが効果的である。
<参考資料>
- 「腰痛・肩こりの科学」、荒井著、ブルーバックス、1999年。
- 「肩こり」、一般社団法人日本臨床内科医会、2018。
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