運動中の『感覚』を大切にしよう!

健康・運動

運動する上で最も大切なのが運動強度の設定です。

運動強度は、心拍予備法(カルボーネン法)を用いて設定し、心拍数でモニターできることをご存知の方も多いのではないでしょうか。

心拍予備法については、以下のブログで詳しく解説しています。

しかし、心拍数も完全ではありません。

健康づくりの強度を設定したはずなのに、「強度が高すぎた」といった状況もあるのです。

「科学的な方法で計算したんでしょ!?」

「運動強度が適切なのか、高すぎるのかって判断できない!」

そう思われる方も多いですよね。

そこで、大切にしたいのが自分の「感覚」です。

運動中の感覚、つまり「きつさ」に注目してください。

この際役立つのが「ニコニコペース」という言葉です。

健康づくり運動を実践する上では、覚えておいて欲しい言葉です。

ニコニコペースは、運動中、息が弾むけれども「ニコニコ」話ができる程度のペースの運動です。

もちろん、心拍予備法から計算された目標心拍数で運動を実施すれば、一般的には、ニコニコペースになります。

しかし、そうならない人もいるため、注意が必要です。

心拍数が運動以外の要因で変動し、個人差も大きい特性があります。

今回は、心拍数による運動強度の設定の問題点とその際の対処法について、以下の内容で解説します。

  • 運動強度の設定
  • 心拍数の課題
  • 感覚から運動強度の設定

運動強度の設定

運動強度の設定が、運動を安全で効果的に行うためには最も大切です。

運動強度は、有酸素能力の最大値である最大酸素摂取量を基準にします。

そして、運動中の酸素摂取量を計測し、目標の運動強度になっているのかをモニターします。

しかし、酸素摂取量を計測するのは、現実的であはありません。

そこで、酸素摂取雨量の代わりに心拍数を活用するのです。

心拍予備法(カルボーネン法)で、目的にあった心拍数を計算します。

運動中では、計算された目標心拍数になっているのかを、心拍計を用いてモニターします。

これが、現状において、最も良い有酸素運動の実践方法です。

ただ、この方法にも課題があるのです。

心拍数の課題

心拍数の課題として以下の3つをご紹介します。

  • 安静時心拍数
  • 最高心拍数
  • 服薬

安静時心拍数

安静時心拍数は、一般的に60〜80[拍/分]です。

ここですでに20[拍/分]も幅があるのがわかりますね。

また、病気でもないのに安静時心拍数が80[拍/分]を超える人もいます。

このように、安静時心拍数は個人差が大きいのです。

最高心拍数

最高心拍数は、これ以上できない強度の運動中の心拍数です。

計測はできますが、運動不足の人や中高齢者にとっては、実際に計測するのはリスクが高いです。

そこで、(220ー年齢)という推定式を用いる訳です。

ただ、これはあくまでも推定です。

推定値が200[拍/分]なのに、実際には180[拍/分]、あるいは220[拍/分]だった、ということがあるのです。

心拍予備法では、安静時心拍数と最高心拍数を用いて計算しています。

多くの方は、心拍予備法から適切な目標心拍数が計算できます。

しかし、安静時心拍数が一般的な範囲を超えている人や、正しく最高心拍数が推定できてない人では、適切とは言えない目標心拍数になってしまうことも計算上あり得るのです。

服薬

服用している薬が心臓など循環器系を調節している自律神経系に影響を及ぼすものもあります。

例えば、β遮断薬などの薬が該当します。

この薬を服用していると、安静時、そして運動時の心拍数の上昇を抑制します。

このような薬を服用している方は、運動の実施においては、まずに医師に相談しましょう。

感覚から運動強度の調整

心拍予備法から運動強度を客観的に求めることは意義のあることです。

しかし、適切な目標心拍数になっていないこともあるので、注意が必要です。

では、どうすればいいのか?

自分の「感覚」に頼るのです。

実際に運動しているときの感覚を大切にしましょう。

健康づくりを目的とした運動の場合、最大酸素摂取量の50〜60%程度の運動強度で行います。

この運動強度を、感覚的に表現したわかりやすい言葉があります。

それが、「ニコニコペース」です。

ニコニコペースとは、運動中、息が弾んでいるけれどもニコニコと話ができる程度のペースということです。

大事な点は2点です。

  • 息が弾む、軽く汗ばむ運動であること
  • ニコニコ話せる運動であること

ニコニコ話せる運動でも、軽すぎてはダメです。

息が弾み、軽く汗ばむぐらいの運動でないと健康づくりへの効果は低くなってしまいます。

また、頑張り過ぎて、きつい運動なのに我慢してしまうのはよくありません。

運動中、苦しくて「しかめっ面」になり、人とも話せない状況。

これは、あきらかに運動強度が高いです。

健康づくりのための目標心拍数で運動していてこのような状況になった場合は、自分を感覚を最優先してください。

そして運動強度(ジョギングのスピードなど)を、ニコニコペースになるまで下げてください。

こういった、微調整をすることが安全に健康するためには必要です。

体力のない人は、特に注意して欲しいですね。

こうなると、運動をするのに不安を感じる方もいると思います。

そういう方は、スポーツクラブなどに行くことをオススメします。

スポーツクラブにはスポーツの専門家がいますので、自分の目的に適した運動強度を経験できます。

「このぐらいの運動なんだ」と感覚的に理解できるのは大きなメリットですね。

お金はかかりますが、それだけの価値はありますよ。

まとめ

  • 運動強度は心拍予備法で目標心拍数が計算できるが完全ではない。
  • 実際に運動しているときの「きつさ」の感覚が大切である。
  • 健康づくり運動の目安は、「ニコニコペース」である。
  • 設定した運動強度がニコニコペースでない場合は、無理せず運動強度を下げる。

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