筋トレやってるんだけどなかなか胸板が厚くならないんだ。
トレーニングを始めてどのくらい経ちますか?
2週間かな。力は強くなったんだけど。
目に見える形で筋肉が太くなるにはもう少しかかりますね。
今回は、トレーニング効果について解説します。
筋トレの効果を考える準備として、まず、筋肉がどうやって動いているかをみてみましょう。
筋肉が動く仕組み
筋線維
筋肉は、筋線維という髪の毛の太さ程の線維が束になってできています。
筋線維の中に、アクチン・フィラメントとミオシン・フィラメントというタンパク質があります。
これらのタンパク質が相互作用することで筋線維が短くなります。
筋肉が動くというのは、筋線維が短くなる(短縮と言います)ことなんです。
神経細胞
筋線維が短縮するには、命令が必要です。
それを伝えるのが神経細胞です。
脳や脊髄からの命令が、軸索という神経細胞から伸びたケーブルを通じて筋線維に伝えられ、筋線維は収縮します。
このように筋が収縮することで、私たちは様々な動きを行うことができるのです。
ちなみに、軸索を伝わる命令は電気で、私たちは電気で動いているのです。
運動単位
筋線維と神経細胞のセットを運動単位と言います。
1つの神経細胞から伸びた軸索は、何本もの筋線維に命令を送れるようになっています。
1つの命令で多くの筋肉を動かせるようになっているんですね。
大腿四頭筋という太ももの前面にある大きな筋肉では、1つの軸索で2,000〜3,000本もの筋線維に1度に命令を送れるようになっています。
筋トレによる筋肉の変化
筋トレをすると、例えば、腕が太くなります。
これは、筋線維の横断面積が増えるからです。
横断面とは、巻き寿司を包丁で切ったときの切断面のことで、その面積を横断面積と言います。
筋線維の数が増えることでも、筋肉は太くなるのでは?
そう思った方もいると思います。
しかし、私たちの筋肉はトレーニングをしても筋線維の「数」は増えないと現在のところは考えられているようです。
太くなる筋線維は、主に速筋線維になります。
だから筋トレをすると、大きな力や素早い動きが可能になる訳です。
トレーニング効果が現れる期間
では、本題の筋トレをしたらいつ頃から筋肉は太くなっていくのかを見ていきましょう。
筋トレした直後、例えば、腕が太くなったり、胸板が厚くなったように感じたことはありませんか?
しかし、残念ながら、そんなにすぐにトレーニング効果は現れてくれません。
では、なぜ筋肉が太くなったと感じてしまったのでしょうか?
これは、筋トレによって筋肉に水分が集まってきた結果、膨れ上がったものです。
筋肉が太くなった訳ではなく、一時的な状態で、時間が経つとトレーニング前の状態に戻ってしまいます。
筋力は、短期間に効果が現れます。
数日もすれば、トレーニング前には重たいと思っていたものも、あまりそう感じなくなります。
しかし、これは、筋肉が太くなった結果ではなく、神経的な要因の改善による結果です。
全力で力を発揮している時でも、私たちは全ての運動単位を使っている訳ではありません。
トレーニングによって、使えていなかった運動単位が使えるようになったり、バラバラに動いていた運動単位がタイミングを合わせて動けるようになったりする。
これが神経的な要因です。
では、筋肉がいつから太くなるかというと、トレーニング開始後1〜2週間ぐらいから起こっているらしいです。
しかし、目に見えて変化する程度に至っていないのです。
筋肉が太くなったと実感するには2〜3ヶ月は時間がかかります。
筋肉が太くならないからと諦めないで下さい。
筋肉は着実に太くなっています。
果報は寝て待て!
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